芬陀院(ふんだいん) 通称雪舟寺
京都市東山区本町15丁目東福寺山内  電話:075−541−1761
沿革
  当院は後醍醐天皇のとき関白一条経公が創立し、東福寺開山聖一国師の法孫、定山祖禅和尚を請じて開山とした。その後1691年、1755年に火災に遭った。
  庭園が雪舟作との伝承は、彼が幼少時代に過ごした岡山県の宝福寺は東福寺の末寺であり、雪舟が上洛するときは本山の当院に起居していた。
重森による復元庭園
  当院は二度の火災に遭い、相当高配していたが、昭和12年に重森三玲氏が「日本名園史図鑑」に収録するために実測を行った。その結果一石も補充することなく氏によって復元された。復元の基準は雪舟が山口に作った常栄寺の実測資料に基づいたもの。
  庭園の様式は枯山水による鶴亀蓬莱様式である。特異的なことは亀島は二重基段の上になっていて、その中心には蓬莱山を象徴する石が鋭く天を衝いている。亀島は羽根を折り曲げた状態になっている。 
重森の新規な庭園
 東側にある庭園は重森三玲による作品である。テーマは九山八海と七五三である。従来、ややもすると雪舟庭園の陰に隠れた嫌いがあったが、昭和15年にかくも壮大なテーマに挑戦したいたのに驚かされる。又当時の寺の財政事情からしてありきたりの石を使ってでも、テーマを求めて造形していた先見性に注目していただきたい。

▲緑の生垣と石畳に導かれて玄関に至る

▲二重基段による亀島(右側)と羽根を折り休んでいる状態の鶴

▲一歩引いたところから拝見すると、趣が増す

▲亀島(重森により修復)

▲鶴島(重森により復元)

▲観賞しやすいように配慮されている

▲訪れる人もいなくなった夕暮れのひと時。なんと懐かしい風景か

▲東庭も緑に囲まれ、九山八海(右側)と七五三の庭
(重森三玲氏の作)

▲松の木の根元から左回りの螺旋系に組まれている

▲上記石組みを茶室方面から眺めると、鋭い形の須弥山が聳えている

▲一直線に並んだ石組みは右から3石(三尊石)、5石、2石に組まれている

▲上記石組みを配列方向から眺めると、迫力のある造形になる

▲何気ないように見える石組みも重森が組むと意味を帯びてくる

▲ありきたりのアングルですが
(石組みは九山八海)
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