清水家
長野県大町市常盤4725  電話:0261-22-4597  拝観には予め先方の都合を確認する
  清水家は庭園、建築、古文書の三点セットが揃っている稀な名家である。
@中でも古文書は約12,000点もある(現在長野県立歴史館に保存されている)。内容は新田開発に関する資料が中心。
A建築は1664年の火災の以後に再建されたものであるが、間口9間半、奥行き13間の大規模なものである(焼失以前は12間四方の特大な規模であった)。現在の建物は江戸時代中期と言われているが、下座敷、上座敷、中の間、上段の間、槍の間と続く構成は松川組大庄屋の風格を持つ。間取りは大庄屋の役向きと、藩主や家老などの来訪に備えて作られている。
B庭園
  重森三玲氏によると(日本庭園史体系No26)「庭園の広さは324坪あるが池泉部は19坪である。このように池泉の割合が少ないのは江戸中期の特徴だそうだ。また池泉の携帯は京都・建仁寺・両足院とほぼ同じで滝石組や水分石、護岸石組みの意匠などからも両足院と同じ頃に作られた」と記されている。
  また「滝は庭園の西北の墨から流れで水を導き、池泉の滝に繋いでいるが、流れは途中で分かれて南下させ、書院前地泉の西部方面で放水させている。…………江戸中期の手法が良く表現されている。」などとなっている

▲本棟と庭園への門

▲本棟造り正面

▲上段の間へと続く部屋

▲古風な入側

▲竹節欄間  入側部分の上段の間に対応する部分は京都の公家屋敷などに見られる意匠

▲上段の間は念入りな細工が施されている

▲床差し天井 
 天井の桟が床の間と直角に取り付けられている。このような様式は非常に珍しい例である。

▲中の間の床は2間もある

▲デザインが施された長押

▲上段の間に入側部の杉戸
▲庭に面した廊下

▲土蔵


▲書院前の池泉

▲庭の中央には滝が落ちている

▲約20坪の庭園の中には社がある
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