栗林公園  江戸時代初期  池泉舟遊・回遊式
香川県高松市  電話:087-833-7411

 紫雲山[しうんざん]東麓にある国指定特別名勝の庭園。約75万平方mの広大な園内は、池泉回遊式大名庭園の南庭と西洋風に改修された北庭に分かれている。南庭は讃岐藩主生駒家の別荘だった所を1642年(寛永19)に初代高松藩主の松平頼重[よりしげ]が庭園整備に着手。松平家5代、100年余の歳月を費やして完成した。紫雲山を借景に6つの池と13の築山で構成されており、松や泉、石組みを巧みに配し、四季折々に風情ある表情を見せる。


▲紫雲山に囲まれた庭園

▲日本一の松

▲芙蓉峰から望む北湖

▲吹上げ渓流の沢渡り                  ▲鶏林石

▲飛来峰から望む

▲偃月橋(えんげつきょう)と南湖の仙磯(せんぎ)

▲五葉松"ごようまつ"

 本園の松の中でも特に貫禄を誇る根上五葉松。掬月亭の北、南湖ほとりに堂々と根を張るこの松は、参勤交代の折、徳川十一代将軍家斉から九代松平藩主頼恕が盆栽として賜ったものが成長したと伝えられている。根が土よりも1メートル以上あがっており、下はクロマツで、上にゴヨウマツを接ぎ木しているもの。

江戸時代初期の頃に建てられた数寄屋風書院造りの建物で回遊式大名庭園の中心的施設であり、歴代藩主が大茶屋と呼び最も愛用しました。

▲掬月亭(きくげつてい)と奇石

仙磯と呼ばれる石は神仙蓬莱思想の仙人の住む島を表す。3対の石があるのは揺らいだ3島の象徴。ではなぜ揺らいだ様を表すのか。それは渤海湾に浮かぶ蜃気楼に由来しているからだ。

▲角度を変えて撮影。

▲至る所にある奇石

▲北湖前嶼(ぜんしょ)

小普陀"しょうふだ"
 見事な石組みが施されている小高い築山小普陀。室町時代の手法を取り入れたこの石の据え方は、本園の築庭においてもっとも古く、小普陀の名は中国観音の座ともいうべき霊場である浙江省舟山列島の普陀山にならって名づけられた由緒深いもの。

▲紫雲山より落ちる
桶樋滝(おけどいのたき) 
 山の中腹に桶をおき水を汲み溜めておき、来客がきたときに滝を落とす

▲芙蓉池に咲く蓮の花

亀の形をした石組みの上に、鶴が舞う姿さながらの形をしていることから名がつけられた。この松は、もとは松平家の家老稲田家にあったもので、この松の手入れに夢中になり、遅刻をしてしまい、禄百石を削られたので、別名百石松とも呼ばれている