光臺院@  重森三玲の昭和27年の作品  国登録記念物指定
和歌山県伊都郡高野山町高野山649  電話:0736-56-2037
沿革
  当院は白河天皇の第四皇子覚法親王の開基で(約900年前)以来27代にわたり法親王方が参籠されている。それによって当院は「高野御室」と称され、非常に由緒ある名刹である。境内には、本堂、多宝塔、経蔵、鐘楼が整備されている。本尊は快慶作の阿弥陀如来及び脇侍立像。仏光座を完備した快慶作中でも最善美の来迎の阿弥陀三尊であり、国の重要文化財に指定されている。
庭園
 当庭は池泉と優美な曲線と岩島、滝および護岸の石組みからなっていた。現在は涸れ池になっている。注目すべきは旧書院から見て左対岸にある滝組みではなかろうか。この滝はいわゆる「龍門瀑」様式で鋭い形をした巨大な鯉魚石が三段目の滝を登らんとしている。形はやや変形で龍門瀑を横から望むようになっている。枯滝を左側から右側に向かって落としているため、鯉魚は左側にある三段目の滝を飛翔しようとしている。
  尚、当寺には北庭園と呼ばれている、もう一つ重森の庭がある(●光臺院A)。

▲庭園全景(現在は涸れ池になっている)護岸の州浜が美しく描かれている

  手前の洲浜石組は七五三である。

▲護岸は大和絵の霞形にデザインされている。向って右岸は4つの出島、左岸は5つの出島である。
このデザインは松尾大社の曲水の庭の原型と言えまいか。

書院前の七五三石組

▲山畔に組まれた枯滝
 滝背後の遠山石は書院から眺められるように、右側に集中している

▲滝は斜めから眺めることになる。鯉魚は栗石による二段目までの滝を登り、最後の滝に挑戦

▲三段の滝・全景                    ▲滝局部

▲池に水が張られていた頃の写真(青木徹氏が1974年に撮影された写真を提供を受けた)
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