小林家庭園   重森晩年の1971年(昭和46年)の作品
大阪府堺市北三国ヶ丘  非公開
重森は林泉243号で次のように述べている
  この庭は門を入ると、敷石で玄関に通じるのであるが、地形に種々な変化があるので、設計は中々困難であったが、むしろ其のむずかしい変化を利用して苔地紋を作り、石を組み、松を配して、興味のあるものが出来た。
 一般の住宅では、玄関というものが大切であるが、多くの場合は狭いようで、思うようにならない。しかし小林氏の場合は、門と玄関の間が長く、変化もあるのでむしろ面白いものになった。
  表庭は近くに反正天皇稜があって、それが背景であるから、隣地に悪い建築などの出来る心配がないので何よりである。そして又、この御陵の森を背景として築山を設け、石を組み、橋を架け、老松を配して、古雅な蓬莱式の枯山水が完成した。
  一応は、古典的な蓬莱式の枯山水であるが、地模様に州浜式の曲線を用い、そうした曲線の中に新しい現代の感覚を盛り込んだのであった。

▲州浜と蓬莱山式石組

▲極端に細長い出島が交差し、そこに橋が架かっている。舟石が蓬莱山に向かっている

▲斬新なデザインの出島。デザイン化された形と水を含んだ青石の輝きは画家出身の重森の世界

▲出島越しに蓬莱式石組みがある

▲近景に尾翼のような石があり、背景の石組みが重なり新しい景色になる

▲出島の上にある手前の二石と背後の蓬莱山の五石が重なって七石になる。垣根の背後は天皇稜

▲蓬莱山にある迫力の石組

▲出島交差部に架かる橋と背後の舟石

▲門から玄関へのアプローチにはインカ式の敷石と島には苔が貼られ松が植えられている

▲門を入った右側には石垣が組まれ舞台になってい手、その奥には三尊石が組まれている

▲玄関から門方向を望む

▲表庭路地風の意匠

▲隣接する反正天皇稜