本休寺 現代(重森三玲)
兵庫県篠山市本明谷495  電話:079-557-0716
  重森先生最晩年の作品である。どのような経過でこのような田舎の田舎にある、小さな寺に庭を作るようになったのであろうか。亡くなる前の年に最も円熟した時期である。私は行ってみて驚いた。さぞかし堂々とした山門を潜った所にあるのだろうと思っていた。
  しかし、実際は石垣の上に作られた、塀の内側の狭いところに、7つのブロックに石が15石並んでるだけであった。初めはあっけにとられていたが、観察すると、石の組まれているテラス状の場所は各色の石でデザイン化されていて、また白壁にも波の模様が描かれていた。
  庭園について考えさせられた。
@円熟の境地にある大先生であるからこそ、縁があれば、どこにでも作られたのだ。
A小さな場所に、いや小さな場所であるからこそ、工夫された庭が出来た。
Bどのような小さな庭であっても、独自のデザインが施されている。
謎が解けたような気がして、高台にある寺の塀越しに外を見ると、丹波の山々がことさら美しく感じられた。

▲大木をも組み入れた石組み(かつては写真左側の躑躅の場所に松の大木があった)

▲砂利を敷き詰めてしまわれたが、かつては大胆な波模様が描かれていた

▲綺麗な宝篋印塔