地名:エピダウロス
  医神のアスクレピオス信仰は広く地中海世界に広がっていた。中でもこのエピダウロスが最も有名である。病を患う人は薬による治療ではなくスポ−ツやマッサージで体をほぐし、次に観劇や音楽で気分をほぐす、といったものだった。患者の心身をリラックスさせ、自らが生きる喜びをおこし免疫を高める療法だった。

▲古代劇場(BC4世紀)
非常に保存状態が良くてほぼ原型をとどめている。丘の斜面を利用して作られたこの劇場は観客14000を収容できる。音響効果が非常に良く、舞台の中央で紙を破る音が聞こえるほどだ。この観客席からはまるで大和にある三輪山のような山があるが、これは聖なる山に違いないと考える。

▲アスクレピオス神殿跡(BC4世紀)
この神殿内部にはかつて象牙と金で出来たアスクレピオンの像があったそうだ。この横には「アバトン」と呼ばれる「聖なる仮眠所」がある。ここで患者が眠っている間にアスクレピオス神が夢に現れ病を癒したり病の処方を告げられた。実際は別の部屋から通じている円筒状の穴から処方が告げられた、のではないか。

▲トロス
紀元前370年から紀元前330年の間に建てられた。これが何を意味するかは不明だそうだが、二つの同心円を描く列柱で囲まれていた。有名なデルフォイやオリンピアのそれとも引けを取らない見事な建物であった。

▲競技場
4年に一度体育競技が行われた。

▲医神エピダウロス(テッサロニキ考古館)
備考
医学の祖としては実在の人ヒポクラテス
ペルガモでは蛇は脱皮するので若返りのシンボル
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