オルレアンのサント・クロワ大聖堂
  オルレアンと言えばジャンヌダルクが陥落寸前のオルレアンをイギリス軍から奇跡的な勝利に導いたところである。当時の状況は現在からは想像も出来ないが、フランスの国土の半分近くがイギリス領土だったのだ。そもそもノルマン人がブルターニュ地方に住み着いたあと、イギリスを征服してしまったのだ。当時のヨーロッパの王侯貴族は相当に血縁関係が入り組んでいる。
  街の中心部にはサント・クロワ大聖堂がそびえている。搭の上には繊細な王冠を頂いている。優美な聖堂だ。聖堂は13世紀に建設がはじまったが、16世紀には新教徒によリ破壊されたが、17〜19世紀に再建された。確かにファサードには宗教的な彫刻がほとんど無く、聖堂としては異様である。
余談であるが
 私たちはホテルRivageに泊まった(http://monsite.wanadoo.fr/le.rivage.olivet)。このホテルはゆっくりとした旅には最適と思いご紹介したい。その理由はローヌ川の支流に面していて、穏やかな風景が満喫できる。小さなホテルなのでオーナーの気配りがされている。料理が有名らしく、週末にはパリからリピートの客が来る。それに安い。私達は3泊したが、妻があちこち動かなくてゆっくりとしたい、との希望があったからだ。ホテルは予定とおりであったが、残念な風景に出会ってしまった。川に面したレストランで食事をしているとき、パリ在住らしき日本人夫妻が子供ずれで入ってきた。若い奥さんは私たちの横を通るときには軽く会釈されていた。若いのに礼儀正しい家族であると感心していた。しかし、暫らくすると子供がむずかりだし、父親は必死にあやしていた。奥さんはあまり動ずるでもない様子であった。レストラン中に鳴り渡る叫び声で20組くらいの客はすっかり気分を害していたに違いない。同朋として恥ずかしい限りで、よっぽど注意しようかと思ったが、妻に止められて思いとどまった。上記の話を会社時代の先輩(ヨーロッパ暮らしをしていた)に話したところ、その通りであると言ってヨーロッパ人の対応の仕方の例を話してくれた。上記のように子供がむずかったとき、奥さんはコップに入っていたワインを子供に浴びせ掛けたそうだ、しかも亭主のワインを。子供と犬は管理できなければパブリックな場所に連れて行ってはいけないのである。

▲西正面から見た大聖堂と美しい町並み

▲軽やかな王冠

▲南正面は華麗な様式

▲フランボワイヤン・ゴシック様式

▲柱には途中にさえぎる物が無く上昇性が感じられる

▲四分ボールト構造

▲華々しい勝利

▲痛ましい火刑と冷ややかに眺める僧侶、貴族
 
▲マルトロワ広場のジャンヌ              ▲クロロ邸のジャンヌは被弾している

▲川は鏡のように平らで対岸の景色が美しかった

▲この散歩道を何回歩いたのだろうか

▲部屋から見えるボートの練習風景
 
▲木陰でスケッチに余念のない妻           ▲オーナーはタクシーなどの世話を親切に